「その子どもの幸せのために。」小児科の持つ責任と使命を伝えるためのWEBサイトリニューアルを担当しました。

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医局のWEBサイトで伝えたいこと

ご相談をいただいた当初「小児科らしくかわいらしく、やわらかく」という具体的なデザインのイメージをお伝えいただいていました。私たちも「小児科」について、そのようなイメージを持っていました。

お話を伺っていく中で、徐々に本サイトの目的が明らかになりました。

本サイトの大きな目的の一つが、小児科医を目指す学生や研修医の方へ、さまざまな角度から福岡大学医学部小児科さまの魅力を伝えることです。

コロナ禍において、病院見学の受付がなかなか難しいという状況がありました。

その中で、学生や研修医の方々へ、福岡大学医学部小児科さまの特徴や、先生方をはじめとするスタッフのみなさまの思いなど、できる限りの情報を伝える、ということを意識する必要がありました。

このような目的を改めて認識し、伝えるべき情報やイメージについて再考の必要があると考えました。

私たちが感じたこと

見学では、普段は絶対に入ることのできない診療室の裏側に入らせていただきました。狭い通路を先生や看護師のみなさんが足早に行き交います。小児用の集中治療室では、24時間の監視を必要とする重篤な患者様もいらっしゃいました。

患者様の待合室はオレンジを基調とした明るい雰囲気で、お子様の興味を引くおもちゃも設置されています。その裏には、緊迫した現場がありました。

制作に入る前に、さまざまな先生方へインタビューをさせていただきました。主に聞いたことは「なぜ小児科を選んだのか」「小児科で大変なことは何か」ということです。

医学の現場に詳しくない私たちにとっては「子ども好きの先生が集まっているのかな」といった漠然としたイメージしか持っていなかったのですが、インタビューでお話いただいた言葉は想像以上に力強く、責任に溢れたものでした。

「大人に比べ、子どもは圧倒的に不安定。しかも、思うように動いてもらうことすら難しい。ちょっとした気の緩みが取り返しのつかない大事故につながる。」

「子ども本人はもちろん、保護者とも徹底的に向き合う覚悟がなければ、小児科は務まりません。」

少しずつ、「小児科」に対しての私たちのイメージが変わっていきました。

私たちがインタビューをした先生方は、このような「厳しさ」を重く受け止める一方で、小児医療に対する「希望」も強く持っている印象を受けました。

今回のWEBサイトでは、福岡大学医学部小児科さまの魅力を伝えながら、このような先生方の強い思いが伝わるようなサイトにしたいと考えました。

写真におさめたかった空気感

緊張した現場。その中にも時折お子さまの笑顔や、お子さまを見て笑顔になる保護者、先生たちの和やかな空気感があります。

大学病院に入院されるお子さまは、決して軽い症状ではありません。

「その子どもの幸せのために。」

診療に迷いが出たときには、まずは子どもの幸せが何かを考え活断すること。それがたとえ、「親から離れさせる」ということであっても、子どもを守るためには決断が必要な場面もあります。

様々な思いが入り混じる現場の空気感をできる限り写真におさめたい。その思いから、当日はお子さまや、先生や、看護師や、保護者のみなさんの表情と、現場の厳しさの双方を必死に追いかけました。

デザインで医療に関わること

ここまでの前提をもとに、デザイン制作に取り掛かりました。

小児医療の現場は慢性的な「人不足」です。今回のサイトリニューアルでは「採用」を強く意識しました。

このサイトを見た医学生や研修医の方々が、どのような思いや覚悟を抱いてくれるのか。

私たちは医療に直接携わることはできません。ただ、私たちが制作したWEBサイトを見た1人の医学生が小児科を志し、その先に救われる小さな命があるかもしれない。そんなことを考えながらデザインを進めました。

私たちstansが本サイトで伝えたかったことは、小児医療の「厳しさ」と「希望」の双方です。「ただ子どもが好き」では決して務まらない、あまりにも重い責任を認識し、その上で選択をしていただけるような空気感を目指しました。

完成したサイトが一人でも多くの先生・患者様の「きっかけ」となることを祈っています。

本サイトの制作にあたっては、先生方、医局のみなさま、ご家族としてモデルをしていただいたみなさま、多くのみなさまにご協力をいただきました。厳しい医療の現場に携わりながらも「良いものを作りたい」とWEBサイト制作にも尽力していただいたことに、心より感謝申し上げます。

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